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Channel: スポーツナビ+ タグ:吉田豊彦
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VS武豊〜エリザベス女王杯1999①/OH MY LITTLE GIRL

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♪こんなにも騒がしい街並にたたずむ君は とても小さくとっても寒がりで 泣き虫な女の子さ〜尾崎豊「OH MY LITTLE GIRL」より「10代のカリスマ」といわれ、その歌と行き様は死後も多くのファンの心を引きつける尾崎豊。この尾崎のほかにも“豊”という名の有名人、著名人は多い。演歌歌手・山川豊は元プロボクサー。兄には「兄弟舟」で有名な鳥羽一郎がいる。代表曲は「アメリカ橋」(これは知りませんでした)低音ボイスが渋い俳優・竹野内豊は「ロングバケーション」などで一躍有名になり、その後も「ヤンキー母校に帰る」「人間の証明」で主演を務めるなど、40歳になった今なお第一線で活躍中である。俳優・松重豊は名脇役としてTVドラマに欠かせない存在である。以前は悪役が多かったが、昨年の「熱海の捜査官」ではコミカルな役も演じるなど最近では様々な顔を見せている。「どっ〜んと鳴った花火がキレイだな...」で有名な大川興業。ここの総裁もユタカである。大川豊総裁。総裁という役名は日銀や自民党など極限られた組織でしか使われず、そういう意味からしても貴重である。スポーツ界に目を向けると、鹿島アントラーズの草創期からDFとして活躍した秋田豊。日本代表としても加茂、岡田、トルシエ、ジーコと4人の監督の下で代表入り。長い間トップに君臨し続けたプレーヤーである。プロ野球界では、世界の盗塁王・福本豊、広島東洋カープ黄金期のエース・大野豊、元横浜大洋ホエールズでスーパーカートリオの一人として活躍し、アートネイチャーのCMでも有名になった高木豊、「江夏の21球」「オールスター9者連続三振」など数々の伝説を残した江夏豊などなど、バラエティー豊かな“豊”が揃っている。そして競馬界では、デビュー以来常にトップで活躍。多くの記録を更新し日本競馬史にその名を残すトップジョッキー武豊がいる。しかしもう一人、「東のユタカ」と呼ばれる騎手がいる。吉田豊である。吉田豊と書くと元福岡ダイエーホークスをはじめ多くの球団で活躍した投手、吉田豊彦を思い浮かべた人も多かろう。そんな吉田豊を一躍有名にしたのは、ある一頭のLITTLE GIRLとの出会いであった。水谷豊の「相棒」は、寺脇康文であり及川ミッチーであるが、吉田豊の「相棒」それは、メジロドーベル。メジロライアンの初年度産駒としてデビューしたメジロドーベルは、気難しい面もありながらもまだデビュー3年目だった吉田豊を背に阪神3歳牝馬Sを制しGⅠ制覇を成し遂げる。このレースは吉田豊にとってもGⅠ初勝利であり、わたしにとっても競馬を始めて初的中のレースであった。そのため、これからわたしはメジロドーベルと吉田豊を贔屓にしていくことに。吉田豊とメジロドーベルのコンビはクラシックでも活躍しオークス、秋華賞で2冠達成(この辺のことは来週も取り上げるので詳述しません)。メジロライアンの子供ということもあり人気もトップクラスであった。古馬になったメジロドーベル。その前に2つの大きな壁が立ちはだかる。一つはGⅠ3勝している牝馬にとって宿命ともいえる斤量の壁。今では多少改善されているが、この当時はいわゆる格別定のレースも少なく、牝馬限定戦も多くはなかったため牡馬相手に重量を背負って走らなければならず、なかなか成績が残せずに苦しんだ。そのため古馬初戦は日経新春杯に56キロで出走。敗因は距離やローテなどもあろうが、明けて旧4歳になったばかりの牝馬がトップハンデとはさすがにキツい。牡牝、年齢からいっても他馬より3キロほど重いわけである(1つ上の重賞2勝馬テイエムオオアラシと同斤量)。そしてもう一つの壁、それは、武豊の「相棒」エアグルーヴである。前年の秋の天皇賞で牝馬としては17年ぶり勝利を挙げ、その後のジャパンカップ、有馬記念でも牡馬相手に互角以上の戦いをし「女傑」として君臨していた。そして2頭のオークス馬が大阪杯でぶつかることに(前年の有馬記念で初対戦)。前年の年度代表馬の人気はさすがにすごく、なんと単勝1.2倍。メジロドーベルは、日経新春杯のイメージが悪かったか3番人気に甘んじた(2番人気は中京記念を勝ってきたトーヨーレインボー)。レースは先に抜け出したエアグルーヴをマークしたメジロドーベルが追いつめるも3/4馬身及ばず。着差以上にその差があるといわれ2頭の序列は完全についてしまった形となった。その後、2頭は1走づつ使われGⅠ宝塚記念で再び相見えることになる。しかしこのレースの焦点は、当時無敵だった1番人気のサイレンススズカをいかに捕まえるかにあり、その対抗馬としては春の天皇賞を勝ったメジロブライト、武豊が選んだエアグルーヴ、有馬記念の覇者シルクジャスティスが挙げられ、メジロドーベルはこの豪華メンバーの中ではあくまで脇役扱いの6番人気であった(わたしは本命にしたが)。メジロドーベルは、逃げるサイレンススズカから離れた2番手を追走するが直線で伸びを欠き、中団から差してきたエアグルーヴなどに差されて5着に終わる。またしてもエアグルーヴには敵わなかった。エアグルーヴはその後、前年と同じく札幌記念を制したが、既に勝っていた天皇賞には向かわずエリザベス女王杯に出走することに。メジロドーベルもそこを目標としたため、3度目の対決が実現したのであった。〈1998 エリザベス女王杯〉1番人気はエアグルーヴ。最大の目標は前年に敗れていたJCにあると言われ、7、8分のデキと言われていたが、それでも春に見せつけた差から1.4倍のダントツ人気であった。メジロドーベルは、府中牝馬Sで秋華賞以来の勝利を挙げ4.6倍の2番人気。3番人気はこの年のオークス馬エリモエクセルということで3頭のオークス馬が揃い盛り上がったものの、勝つのはエアグルーヴというのが大方の予想であった。逃げたのはナギサ。(新垣渚はどうした?)初騎乗の安田富男を背に軽快に逃げる。2番手には重賞2勝のランフォザドリーム。メジロドーベルはかかり気味。馬群の中で必死になだめながら3番手集団を追走。その外からエアグルーヴという展開でレースは進む。スローで絶妙な逃げを見せたナギサ。これがしぶとく粘るところを、ランフォザドリームが交して先頭に立つが、その外からエアグルーヴ、内の狭いところにメジロドーベルが突っ込んでいった。エアグルーヴは反応が鈍く伸びを欠く中、最内からメジロドーベルが先頭に立ちそのまま1着でゴール!!メジロドーベルにとってはエリザベス女王杯を勝ったことよりも、エアグルーヴにはじめて勝てたことの方が価値があったともいえるだろう。エアグルーヴ側からすれば、目標は先、本調子ではなかった、となるだろうが、GⅠをたたき台として使うところに隙があった(最近の秋天辺りもそうなっているが)。「なめるなよっ」あの吉田豊のガッツポーズはそういっているとも思えた。「おいおい、1998年って、間違えてるよ」と思った方、いやいや間違えていません。1999年で正しいのです。“VS武豊”となっていますが、この1998年のエリ女に武豊は乗っていないのです。1998年、天皇賞・秋。武豊はサイレンススズカというパートナーを失います。しかし、その翌週の新馬戦で将来共に夢を見ることが出来る新たなパートナーに出合います。その名はアドマイヤベガ。父はサンデーサーレンス、母は共に桜花賞、オークスを制したベガという縁のある血統。この馬で臨んだ新馬戦で快勝し、これからだと思ったらなんと降着に。これにより6日間の騎乗停止となり、エリ女、JCのエアグルーヴ、マイルCSのシーキングザパールに乗れなくなってしまったのです。従ってこの1998年のエリ女でのエアグルーヴの鞍上は武豊ではなく横山典だったのです。もしエアグルーヴの鞍上が武豊だったら、どうだったでしょうね。わたしはそれでもメジロドーベルが勝っていた、そう信じたい。7、8分のデキで勝てると思われたら、女が廃るってもんっすから。まさに「なめんじゃねえ」という感じです。そんなメジロドーベルは翌年のエリ女にまた出走してきますが、その前に立ちふさがったのが、今度こそ武豊と“胡蝶蘭”だったのです。《1998 エリザベス女王杯》1◎メジロドーベル(吉田豊)2_ランフォザドリーム(河内)3×エアグルーヴ(横山典)4○ナギサ(安田富)5_エリモエクセル(的場)6△グレースアドマイヤ(藤田)9▲ナリタルナパーク(佐藤哲)ナギサ惜しかったっ。一瞬夢見ました。しかし準オープンすら勝っていないような馬がよく頑張りましたね。グレースアドマイヤはリンカーンとかヴィクトリーとか活躍馬を出していますね。メジロドーベルとエアグルーヴは、この後有馬記念で再戦。ちなみに、わたしが初めて中山競馬場に行った日でした。本命はもちろんメジロドーベルでしたが、9着。またしてもエアグルーヴに先着を許す結果となりました(ここは武豊騎乗)。この2頭の対戦は結局エアグルーヴの4勝1敗で終わることになります。唯一メジロドーベルが勝ったレース、それがこのエリザベス女王杯だったのです。逆に言えば武豊とのコンビでは負けていないということになりますが。それにしても、武豊はこのエアグルーヴが相当お気に入りでしたね。宝塚記念ではサイレンススズカを振り、JCでは自身初のダービーを勝ったスペシャルウィークではなく、こちらに乗るつもりだったわけですから(マーベラスサンデーはその上か?)。(ルーラーシップとか乗りたいだろうに)ウオッカやブエナビスタも確かにスゴいですが、エアグルーヴはそのパイオニアであり、当時のレース体系や戦ってきた牡馬のレベルを考えるとエアグルーヴの方が上にも思えてきてしまうのですが。つづく

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